くも膜のう胞ですか。
頭に何かあると言われて気分の良い方はいません。
さぞかし、ご心配な事でしょう。
そもそもくも膜とは、くも膜下出血で有名ですね。このくも膜というのは脳の表面を覆う薄い膜です。脳はくも膜の他、固くて厚い硬膜、そして骨という順に覆われて保護されています。くも膜と脳の間には髄液という液体と、血管が走っています。
くも膜のう胞とはこの薄い膜が生まれつき袋状になって髄液が溜まったものを言います。CTなどの脳の検査が進んで多くが見つかっています。実際どれぐらいの割合で存在するか正確なところは分かっていません。数パーセントの方に存在するのは間違いないと思います。
言い換えれば、これは一生何も症状も障害も起こさない方が圧倒的だという事です。
くも膜のう胞は髄液が溜まる一方で外に出て行かないタイプ、入ったり出たりして大きさが変らないタイプ、髄液が入れ替わらないタイプの3通りのタイプに分けられます。症状を出すのは、少しずつ大きくなっていくタイプです。
大きくなったくも膜のう胞によって、脳が圧迫されその部分の症状が出るのです。例えば、言葉を出す部分に接するくも膜のう胞ならば、言葉が不自由になり、手足の運動に関する部位なら麻痺が出現しという風になります。
ただし、こういったケースはまれで、ほとんどは無症状で検査をしない限り一生その存在にすら気がつかないといったケースがほとんどです。
お子さんの場合も6年間大丈夫ですし、恐らく頭痛もくも膜のう胞とは関係ない、肩凝りや頚椎の異常から来るものが最も考えられます。また、一部のくも膜のう胞は中を走る血管が引き伸ばされ切れやすくなるともいわれますが、実際にはそういったケースもごく希です。
担当の先生も様子を見ましょうとおっしゃっているぐらいですから、多分そう問題はないのだろうと思います。ですから、あまりご心配されなくとも良いと思います。但し、年に1〜2回は専門医の診断は仰いで下さい。
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