松果体のう胞と言うのは、恐らく珍しい病気といえるでしょう。
昨今、MRIやCTといった機械が普及し発見されることが多くなりました。言い換えれば、そのほとんどがもし発見されなければ、何の症状も出さずに一生を過ごすことができるものです。
ですから、病気とは言えないような、頭の中のバリエーションの一種と言っても良いかもしれません。
いずれにせよ、よほど巨大なものでなければ、頭痛を起こすこともなく、したがってご主人の頭痛は松果体のう胞とは
無関係である可能性が高いと思われます。
のう胞の本態は、松果体部にできたくも膜のう胞である可能性が高いです。
くも膜のう胞とは、お母さんのお腹の中で、脳が形成される時、くも膜が袋状になってしまいそこに髄液が溜まったものを言います。
一般的に一生そのままの大きさで、無症状に過ごします。
まれに、一方向性に髄液が袋の中に流れて、のう胞が次第に大きくなる時、症状を表します。頭痛やその固まりによって
脳が圧迫されることで、その部の働きをなくす(たとえば、麻痺が出たり、言葉が不自由になったりという)症状が出ます。
また、ダイビングによる水圧の影響ですが、まず、普通の範囲でのスポーツダイビングでは影響はないと考えられます。
ところで、松果体自体はどういった働きをするかよく分かっていません。一つには体内時計の働きをすると言われています。
メラトニンという、ここで産生されるホルモンがその役割をになっています。そこで、その類似物質が、時差ぼけ解消の薬として売られているわけです。
もっとも、メラトニンは、たとえば時差解消を半分にするとしましょう。時差が8時間だとすると、何もしなければ、人間の体は1日1時間で時差を修正しますので、8日間で元通りとなります。
一方、もしメラトニンが時差8時間を修正すれば、半分の4日で修正されます。ところが、残りの16時間を修正するとなると8日間で全く同じになってしまうのです。これが、メラトニンが効くとか効かないと言った理由です。
かつては、第三の眼と呼ばれた松果体ですが、実際のところ、本来の働きが分かるのはもう少し先のことかもしれません。
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