薬の効果は基本的に,血液中にある薬の量に依存しています.
血液中の薬の量は,年齢・性別・体格・肝臓や腎臓の機能などの因子に影響されて,同じ量の薬を飲んだとしても,人によって違ってきます.
従って厳密に言うと,いわゆる成人の薬の服用量が一種類しかない,というのはおかしいわけです.
まして,高齢者になりますと,上記の因子の個人差が非常に大きい.一般的に高齢者では,若いときに比べて肝臓や腎臓の機能が低下している場合が多いので,血液中の薬は消失しにくくなります.
従って高齢者では,投与量を減らすなどの調整が必要です.
また,年齢と共に身体の中の水分は減少し,脂肪が増加します.そこで,脂肪と相性のよい薬は,身体の中にたまりがちになりますから,若い人よりも服用間隔をあける,といった調整も必要になってくるのです.
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