薬が複数投与される場合には,いくつかの理由があります.
まずよくある例として,胃を荒らすような薬,例えば鎮痛剤などと一緒に胃薬が出される場合.
また,血圧が高い人で,一種類の薬では十分な効果が得られない場合,別のメカニズムで働く薬を合わせて出す場合があります.
その他,ある薬の作用,例えばがんを殺す作用を高めるために,別の薬を合わせて出す場合があります.
しかし,一番よくあるのは,お年寄りなどで色々な病気を持っている方について,訴えられた症状全部に対し,それぞれ薬が出されることです.よく高齢者の方で,両手に下げた袋にいっぱいの薬,例えば血圧の薬,胃薬,風邪気味だから咳止めと抗生物質,おしっこが出にくいから利尿薬,腰も痛いので痛み止めと貼り薬・・・等々貰っている事があります.
お医者さんは,患者さんが訴えてきた症状に対しては,きちんと対応しようという場合が多いので,どうしてもそういう事になりがちです.しかし,多すぎる薬に対して不安に思ったら・・・・お医者さんに相談して下さい.お医者さんに言いにくいと思われる方は,薬剤師に相談するとよいでしょう.
どうしても必要な薬は,飲むことに不安はないと思います.不安に思うのは,「これって,なくてもいいんじゃないの?」という疑問が起こるからでしょう.
疑問は必ず専門家に相談して下さい.「黙って座ればピタリと当たる」訳ではありません.
患者さん自身から得られる情報は,医療関係者にとって大変貴重なものなのです.
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