こんにちは。初めてお手紙差し上げます。
私のなやみにこたえていただけたら、とても嬉しく思います。

私は生後８ヶ月の頃に、皮膚ガンを経験しています。治療のおかげで今ではピンピン！しています。けれど、ガンが出来たところが、耳のこめかみの辺りで、当時の技術では背中の筋肉を持ってくると言う手段でしか応用がきかなかったため、外見は顔かたちの整った方たちからみれば、おかしい、変、または小さい子供の一言で言うと化け物、などです。

だからと言って、自分では（あくまで自分ではですよ）前向きであると思うし友達もいますし、生きたいように生きていると思います。この顔では恋人も出来ないのだろうか？と思い悩んだときもありましたがそんなこともありませんでした。今は別れてしまっていませんけれど。

ただ一点だけ、この顔をなおそう。という話が持ちあがっているのです。
なおすためには、お金もかかります。母親がためておいてくれたものです。しかし、顔をなおすことに使うくらいなら、自分で使ったほうがいいと思うし、なおすといったって私が納得のいくものにはならないと思うのです。完璧にはなおらないのであればやっても意味がないと思うのです。

お医者様も、将来のために、子供のためにと言うのです。気持ちはありがたいのです。
子供が出来たら、親が子供のコンプレックスになるかもわかりませんし。
母親としては、なおすのが責任だとかなんとかっていって、私はこのままでいいといってもでもね〜といって、どうどう巡りなのです。
お母さんの気持ちには答えたいとは思いますが、こればっかりはできない気がします、
阿部先生のご意見をいただければ幸いです。よろしくお願いします。

あなたは、パワーのある方だと思います。
実に人生を一歩一歩踏みしめていらっしゃるのがわかります。
で、私の意見ですが・・・。
まず、手術を受けるか受けないかはからすじゃない・・・あなたの勝手です。
私が口出しすれば、悩む材料が増えるだけです。

ただ、形成外科の技術は素晴らしいものがあります。また、お金も大学病院などであれば、かなり保険が適応されます。ですから、どうせ直りっこないなんていうのはやめましょう。
お金のことを理由にするのもね。

で、迷っているといっても、本当は実は違ったところに原因があるのかもしれませんよ。
たとえば、痛いんじゃないかとか、手術で瘢痕を取ってしまったら、自分の人生のパワーが落っこちてしまうんじゃないかとか。せっかくの傷があったための「はく」が無くなってしまうとかね。

あなたがあなたであることは、外見の問題はあまり関係ないはずです。あなたもそう思ってらっしゃいますよね。とすれば、それこそ、手術を受けてもあなたであることは変わりませんよね。

いずれにせよ、迷うということは、「どっちでもいい」ということなのです。どっちかがよいと思ったら、必ずそうしますからね。
和食にするか、イタリアンにするか・・・迷うのはどちらを食べてもいいということです。

となれば、どうですか。きまってきたでしょ。