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こんにちは。はじめてお便りします。
8月の初旬以来、意識不明の父(64歳)についてご相談させてください。

8月6日の明け方、トイレにおきた父が、寝室にもどり、少ししてから、突然苦しみ、そのまま心停止しました。母が隣で寝ていたため、すぐに救急車を呼び、駆けつけた救急隊員が、電気ショックによる蘇生を行った結果、心臓が再び動き出しました。心停止から蘇生まで40分とのことです。

病院に搬送後、さまざまな検査をしてもらいましたが、CT、MRIともに異常はなく、脳内での出血がおきた可能性はまずないといわれました。主治医の先生によると、原因が脳でないとすると、心停止を起こすようなショックというのは、毒物かもしれないといわれ、毒物検査もしましたが、もちろんこの可能性もすぐに否定されました。残すところ、父の持病の不整脈ですが、これが悪く作用してしまい、突然の心停止を起こしたのではないか、と結論づけられました。そして、呼吸停止が長かったため、低酸素症をおこし、脳細胞が多く死んでしまっているため、今後意識が戻る可能性はきわめて低いということでした。

現在、既に6週間が経過しましたが、最初のお話どおり、父の意識は回復していません。ただ、初期には痙攣やしゃっくりがつづき、肝機能の低下から黄疸もありましたが、現在では、このような症状はなく、発熱だけが続いています。(37.5〜38.5程度)また、開眼もみられ、呼吸器も取れたため、今では集中治療室を出て、一般病棟に入れてもらえました。ただし、これといった病気がなく、積極的な治療は行っていないため、もう転院先を探すように言われました。父は、このような状態になるには若いので、「この人は他に病気もないし、今後長くなりますよ。」といわれました。特記事項として、入院2週間後くらいに、MRSAがでたため、現在では、バイコマイシン(?)を使っていることをご報告しておきます。

父は、人の気配を感じるのか、病室に入るとしばらくして、目を覚ます(開眼する)ことが多いです。私が、手や足を触ったり、音楽をかけたりするので、こうした刺激に反応しているのかもしれません。ただ、目がものを追うといった行動はありません。足は時々自分で動かすことがありますが、手や首はまったく動きません。あまり期待してもいけないと思っていますが、先日、看護士さんから「この人は、こっちの言っていることをわかっている気がします。これは、私だけでなく、他のナースもいっていました。」といわれました。多くの患者さんを診ている看護士さんの言葉なので、あまり無責任なこともおっしゃらないだろうと、少なからず今後の回復を期待してしまいます。話かけていると、父の目から涙が出てくるとこがあります。これも、生理的な反応なのかもしれないのですが、やはり聞こえているのではないか、そのうち、意識が回復するのではないか、と思ってしまいます。

どんな場合でも、絶対ということはないかと思いますが、今後意識が戻るとしたら、どのような過程を踏むのでしょうか。小さなサインも見逃したくないと思います。また、気をつけなくてはならないこと、したほうがよいことなどがあれば教えてください。
どうぞ宜しくお願いします。

お答え
 

ご家族がこういった状況になると本当に大変だと思います。
心中お察し申し上げます。どうか、ご自身のこともお気遣いください。

心肺停止の後に蘇生された脳は、一時的に酸素の供給が絶たれており、低酸素脳症と言う状態になります。軽いものは、いわゆる高山病のひどいようなものでなんでもないのですが、お父様のように重症の場合、意識が出てこないと言う大変な症状となります。
急性期の治療はすでに終了されているわけで、今は慢性期の治療だと思います。
このような慢性期に関して我々医療側が提供できるものはかなり少なくなってしまいます。
リハビリを主体とする治療だと思います。

まれに、LOW T3 症候群と言って、心筋梗塞や脳梗塞などの重篤な病気の後、体が反応性に甲状腺ホルモンを低下させることがあります。これは、体全体の代謝を低下させることで急場をしのいでいくと言う面白いシステムです。ところが、急性期をすぎても甲状腺ホルモンが元に戻ってこずに、意識がぼやっとしたりあるいは意識がなかったりする方がいます。
恐らく、お父様の場合は主治医の先生にちゃんとチェックしていただいていると思いますので、このことは気になさらないでいいと思います。

で、ここからはまったくの戯言だと思って聞いてください。
僕がまだ大学病院にいた頃、脳腫瘍で手術をしたおじいちゃんがいらっしゃいました。かなり厳しい状況でしたので、手術は成功したものの、術後肺炎を起こしてしまいました。
抗生物質をいくら変えても、どんな治療をしても、肺炎は治りませんでした。同時に意識もどんどん落ちていきました。
ご自身の免疫力の低下が原因と考えられました。でも、もはや、僕らには何もするすべがありませんでした。
そんなある日、みんなで温泉へ慰安旅行へ行きました。(我々にも休息は必要ですからね)
そこで、足の裏のつぼ押し棒が売っていました。何の気なしに買ってみて、自分で足の裏を刺激してみてびっくり!痛いのなんのって。しかも、いい加減なわりには、意外と書いてあるツボと症状が一致しました。

で、こっそりと翌日から回診時におじいちゃんの足のツボを押してみました。すごく恥ずかしかったのですが、看護婦の反応はまったく予想外でした。
「あら、先生。あたしたちがやってもいいわよ」
どうやら、こういったものに抵抗があったのは、我々医者だけだったようです。
後輩には、西洋医学ではもはややりつくしたのだから、後は東洋医学だよとかなんとか言いくるめてやって見ました。
結果は、その患者さんに関しては、肺炎はなぜか治りました。少しは意識も出てきました。
ただ、残念なことに、結局は長い入院の後お亡くなりになってしまいました。
その後、いろんな患者さんに僕のいた病院ではやってみました。
効果は人それぞれでした。

このお話をどう解釈されるかは自由です。
ただ、さすってあげるだけでもいいと思います。西洋医学として何もできないのであれば、何かをしてあげるのはいいことだと思います。
ましてや、つぼを押しても何の副作用もありませんから。
ただし、健康食品の一部には肝臓の機能を悪化させたりすることがあるので、ちゃんと主治医の先生とご相談ください。

では、お大事に。そして、ご自身もお気をつけください。

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