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阿部先生、はじめまして。
検索していましたら先生のページが、目にとまりました。くも膜下出血の術後の事で、おたずねします。

母 70歳は、今年3月くも膜下出血の為 開頭手術をしました。手術室に入り間もなく心肺停止になりまして、蘇生して命を取り止めたようです。
その後医師にこのまま手術に踏みきるか或いは・・・と選択を迫られたことは、忘れることは出来ません。

無事に手術が終わりまして、処置としては いわゆる医学書にあるようなクリップ・コルクを使ったものではなく、オブラートで血管を包む様な処置をしたと、医師から聞きました。血管が瘤状でなく幅広く膨らんだ状態だった為らしいです。
術後のレントゲンで、別の場所にもう一つ、未破裂瘤らしき物が見つかりましたが、一番危険なのは二回目の破裂との事でしたがその後何もなく現在に至ってます。その、未破裂瘤らしき物は、2mm程で、血管の壁に半円の様についている状態です。
普段心配性な母にはもう一つ疑わしいものがあることは、話していません。

その術後は脳や、言語・運動機能などの異常はなく、リハビリを開始しました。ただ、片方の目が内斜視になり、物が二重に見えるそうです。これは、今現在でも続いています。どこを検索しても術後の目の異常についての質問がありませんでしたので、この事について阿部先生のお話を、聞かせて頂けませんでしょうか?
主治医は、このまま様子を見ていきましょうとの事ですが、半年以上経っても同じような状態なので少しでも回復の兆しがあれば本人も希望がもてるのではないかと思います。
私達家族も、「術後まだ半年。焦らず頑張っていこうよ。きっと良くなるから。」と言葉をかけています。

しかしながら、このまま何もせず自然にまかせていていいものなのでしょうか。なにか正常になる為の目のリハビリなどがありますか?また、正常になる確率はどの位のものなのでしょうか? 

脳ドッグなどで発見された未破裂瘤の手術をして、視神経を刺激され視力等に異常が出る場合もあると読んだことがありますが、同じようなことなのでしょうか?

何回かの通院の時、目がチクチク痛むので主治医を通して眼科を受診しましたが異常はなく、視力もありました。脳のレントゲンで、少し影が見られましたが、脳梗塞もないという結果でした。

その後、三日間、動悸の為受診した時も、心電図も異常なしでした。
話が前後して申し訳ございません。宜しくお願い申し上げます。

お答え
 

さぞ、ご心配のこと承りました。
くも膜下出血のうち出血源が紡錘状に膨らんだ部分からのものが一番厄介です。主治医の先生はラッピングという術式を取られたようですが、脳外科医としては、忸怩たる思いだったと思います。

クリッピングやコイルで完全に動脈瘤を処置できれば、再出血の可能性はかなり低いものになります。ラッピングでは、そこまでの効果は期待できません。
残念ながら、現状の医学ではそれぐらいしかお役に立てないのです。
もうひとつの動脈瘤もクリップもコイルも使用できない大きさだと思います。
なかなか、希望を持った答えができないことを歯がゆく感じます。その主治医の先生も同じ気持ちだと思います。ご理解ください。

さて、眼の症状ですが、眼は双眼鏡と同じく光軸というものあって、二つが一致しないとものがダブって見えてしまいます。お母様の場合、多分眼を動かす神経である「動眼神経」というのに障害があってダブって見えるのだと思います。

この場合、完全にずれているほうがご本人にとっては実は楽なようです。かえって、かなり直ってきたほうがもののずれが意識されて厳しいようです。
良くなる場合でも、かなり時間が掛かります。先日、僕の患者さんでも同じように動眼神経麻痺が残りましたが、約一年でかなり良くなりました。
ダメージの具合や年齢によって直り方はまちまちだと思います。
針などが効いた例もありました。何かやってみる価値はあると思います。

あまり、サポートにならなかったのではと思っております。ただ、あきらめるのはまだ早いと思います。
そして、あなたご自身もお疲れのようです。誰かからサポート・援助を得てください。いま、あなたが疲れきると、せっかくがんばっているお母様にも悪影響を与えます。ですから、まず、ご自身が助かってくださいね。それから、お母様のことを心配してあげてください。
では。

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