お子さんのこと、大変ご心配だと思います。
くも膜のう胞はCTが一般化された15,6年前からよく話題に上る病気です。言い換えれば、自然経過は、15年分ぐらいしかわかっていないということになります。
くも膜のう胞の大きさや場所はさまざまです。ですから、同じのう胞といっても、その経過はさまざまです。
教科書的に言われるのは、のう胞内への出血です。これは、のう胞によって引き伸ばされ弱くなった血管が、切れてしまうことで起こります。大きな衝撃ではなく、尻餅をついたぐらいの軽い外傷で起こるといわれています。
ただ、くも膜のう胞全体でどれくらいの割合かといえば、かなり少ないものと考えられます。第一、どれくらいくも膜のう胞があるかなんてのは、まったくわかっていないのですから。
ちなみに僕自身は、20数年脳外科をやっていて、出血は見たことがありません。
ですから、恐らくお子さんの場合、出血の可能性は(大きさと場所にもよりますが)一般のくも膜のう胞のない方に比べれば確率的には高いといえますが、その可能性の絶対値は低いといえるのではないでしょうか。
むしろ、現在チック様の症状が出ているとすれば、周囲が腫れ物に触るように扱っていることによるストレスのほうがはるかにお子さんには悪影響ではと懸念しております。
勿論、脳外科専門医とよく相談されなくてはいけないとは思いますが、いたずらに怖がっても仕方がないと思います。
ですから、スポーツもやってみてもいいのではないかなというのが僕の意見です。
ただし、CTなどみていない単なる外野の意見ですが・・・・。
よくお子さんと病気?についてお話し合いすることも大切です。彼自身の問題ですからね。そして、彼のストレスや不安を取ってあげるのが第一だと思います。
お大事に
|