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このエッセイは『ばんぶう』(日本医療企画)に掲載されたものです。
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  黒船がやってきた(2000)
 

総選挙も終わり、一体何じゃこりゃと言う時代は相変わらず続いている。安心できない時代だ。そもそも、不安とは今までの経験から将来を予測し、その予測と現実とのギャップをいう。

果たして、この混沌とした時代に将来の予測など出来るのであろうか。失われた10年というが、10年前、バブル華やかなりし頃、我々は経済的に素晴らしい未来を描いていた。然るに現実は、バブルの崩壊とそれに伴う不良債権、さらにその背後の構造疲労。予測の方程式は壊された。不安が募るのも当たり前。勝者無き選挙といわれるのもそれゆえだろう。

歴史は繰り返す。

混沌として諸外国の勢力がIT産業を軸として、多国籍企業の形で日本自体をその傘下におこうとしている。まるで、幕末だ。黒船がグローバル化という名の下に資本の参入を迫っている。一部の銀行や自動車会社を見ればお分かりだろう。

幕末におけるこの植民地化の波が今また忍び寄ってきているように感じる。この平成維新とも言う状況に幕府はその体制を変革する事で開国に備えようとしている。一方、維新軍はいまだその体制を整える事が出来ず、新選組の辻斬りに会っているようなものだ。先が見えない時代は不安が募る。

さらに問題なのは、実は明治維新の頃は不安とはいえ、諸外国に追いつけ追い越せであれば良かったという相違点だ。

まず、我々は、IT産業において二度と欧米に勝てない事を思い知らねばならない。ITのインフラにおいて、すでに日本は三等国である。例えば、ISDNの普及率で韓国はすでにその次の世代のインフラに取り掛かっている事をご存知だろうか。 一体、インターネットにこれだけ通話料をとる先進国があろうか。理由は簡単だ。元幕府のなんとか公社の体質の為である。 つまり、日本は明治のそれと違って、技術においてもはや復興は望めないのである。

さらに、物を作って売る事が資本主義ならば、その行き詰まりの打開策として、欧米はIT産業の中にバーチャルな植民地を創り出した。しかし、そのIT産業ですら、いずれ行き詰まる。そして、我々はそこから取り残された。 つまり、我が日本は幸か不幸か資本主義の次に来るべきものを、世界で真っ先に捜し出さねばならぬ状況なのだ。

残念ながらこの国は今、結果責任の取れないマザコン諸君がのさばっている。非難されれば言い訳ばかり。ママはいつでもいい子ねとかばってくれる。これが幕府の正体だ。

事件を起こした少年達を教育しなければというが、一体そうした子供を創り出した親達の責任はどうなのか。親の世代を教育しなくて良いものだろうか。体罰を禁止し、運動会での一等賞を無くしたならば、偏差値なんかも無くして東大も抽選にしてしまえば良い。非難を恐れて、正しい事を貫けない、いや、そのことに気づきもしない世代。日本のそこかしこで見る光景だ。

21世紀は武士道、大和撫子を取り戻す時代かもしれない。アイデンティーを金に求めず、自身の誇りに求める文化、いわゆる恥の文化こそ我々の誇りではなかったか。

恥知らずの多い時代、竜馬はどこにいるのだろう。

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