いよいよ21世紀になった。なんだこんなものかと言う人から、うーん新しい世紀の始まりと言う人まで様々だ。
「平然と車内で化粧をする脳」(扶桑社)の著者、澤口博士によれば、日本人の脳と言うのは、5万年前にコーカソイドと分かれる際、大人になるまでの期間を長くする事で、環境適応して来たらしい。その為、集団でのしつけや教育が不可欠であるそうな。しかるに、現代日本人はそのシステムを捨て、自立の早い欧米のシステムを採った為に、脳が機能不全の状態となっていると言う。
言い換えれば、コンピューターのハードディスクの容量を増やした為に、そのフォーマットには時間と手間がかかり、そのシステムをモンゴロイドは社会にうまく組み込んできた。ところが、社会を欧米化した事で、フォーマットしない脳が増えてきてしまった。
フォーマットされていないディスクにプログラムを入れようとしても無駄で、突然暴走を始める。切れると言う奴だ。
さて、では有効なフォーマットの方法やいかに。一言で言うならば、父性の復活と言う事であろう。なるほど、ちまたでは某都知事に賛同する意見が聞かれ、テレビでは「オヤジい」が20%を越える視聴率を誇っている。
サルやヒトを見ていると、一般の感情とは違った見方をしている自分に気が付く事がある。ヒトを動物としてみる事は時に大切な事かもしれない。
サルは大きく分けると、ゴリラ型、チンパンジー型、ボノボ型になる。
ゴリラ型とは、一匹のオスがハーレムを作り、そこで生まれたオスは成人すると出ていくタイプ。
チンパンジー型は一匹のボスの下、ヒエラルギ−を形成した集団として生活するタイプ。この場合、メスが集団間を移動する。また、オスはメスを妊娠可能にする為、他のオスの遺伝子を持った子供をしばしば殺す。
そして、ボノボは多夫多妻ともいうべき、乱交型で最も平和なサルと言われる。生まれた子供は集団で育て、子供の貸し借りすらある。誰の子供だろうが気にしない。
ある意味、コーカソイドはゴリラとチンパンジーを組み合わせたタイプで、我々モンゴロイドはある時期、ボノボ型を取っていた。現に、チベットの山奥のトンパ象形文字で有名なナシ族は、いまだに、多夫多妻を社会形態にしている。彼らが、モンゴロイドの源流である事は周知の事実である。かつてのインカ帝国でも、社会全体として子供を育てていた。
ボノボを含めて、オスは子供を叱る。叱る時には、情動を利用して記憶にしっかりと刻み込む必要がある。そこで、オスの主に腕力が利用される。ある種の恐怖体験は、扁桃核を通じて優先的に記憶に刻まれる。
父性とは叱る事である。それは、怒る事とは違う。怒りはそのオス自体の感情であり、叱るとは愛情の裏打ちのある相手の感情の問題である。
成人男子の精子の数は激減し、環境ホルモンに女性の性周期は狂わされ、間違った解釈の下はびこる男女同権と似非ヒューマニズム。
進化に失敗した種は絶滅し、適応した種のみが生き残る。
はたして、我々は。 |